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神奈川県

 不登校の子どもたちが特別なカリキュラムで学べる「学びの多様化学校」(旧称・不登校特例校)が4月、神奈川県鎌倉市に誕生する。

 「学びの多様化学校」は国が始めた制度で、2024年4月時点で16都道府県に小・中・高校あわせて35校設置されている。県内では横浜市と大和市にある。

 鎌倉市教育委員会によると、「市立由比ガ浜中学校」という名称で、江ノ電由比ケ浜駅近くに設置される。

 市立御成中学校の分校という位置づけで、2階建ての新校舎(延べ床面積約1千平方メートル)では約30人の生徒が学び、教員やスクールカウンセラー約10人が支援にあたる。受け入れる生徒は面談などを通して選んだという。

 市内全域が通学範囲となるため、登校時間は午前9時半を予定しており、朝はゆとりをもって登校できる。年間授業時間数は一般の中学校が1015時間なのに対し、770時間に減らす予定。一方、総合的な学習の時間は、一般の中学1年が50時間、2年と3年が各70時間なのに対し、各学年140時間に増やす予定。鎌倉の自然や文化を生かし、体験を通じて学習する機会を設ける。

 市教委によると、鎌倉市内の不登校児・生徒数は年々増加傾向にあり、2023年度時点で約400人。これまでも海や森での特別プログラムを実施するなどの支援はしてきたが、今回の開校で民間のフリースクールと合わせ、不登校対策を拡充する狙いがある。

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